混合肌は乾燥肌

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混合肌は乾燥肌

混合肌はTゾーンは脂浮きしやすく、その他の部分は乾燥する肌です。

肌質には、普通肌、脂性肌、乾燥肌などの肌質がありますが、乾燥するのに脂浮きも気になる混合肌(ミックススキン)と呼ばれる肌質もあります。

混合肌とは、顔のある部分は脂浮きするのに、ある部分は乾燥してしまう、脂性肌と乾燥肌が混在した肌のことです。

主に皮脂腺の分布の多いTゾーンは脂浮きしやすく、その他の部分は乾燥する場合が多いです。

乾燥する肌なのに脂浮きもする肌というのは、一見真逆の肌のようにも思えますが、混合肌はなぜおきるのでしょうか?

混合肌になる理由

肌の表皮と呼ばれる部分にはさまざまな働きがありますが、ここでは体の外部からのウィルスや細菌、異物の体内への侵入を防ぐ働きについてお話しします。

私たちの身の廻りにはおびただしい数のウィルスや細菌が存在し、私たちはその中で生活していますが、肌にはバリア機能と呼ばれる体の外部からのウィルスや細菌、異物が体内に侵入するのを防ぐ働きがあります。

しかし、このバリア機能は、肌が正常な状態を維持していなければ発揮することが出来ません。

正常な肌状態

これが肌の表皮の正常な状態です。

バリア機能は、表皮の最上部の角質層が担っています。

角質層は、角質が10枚から14枚重なり合っている層で、角質に水分が含まれていて、セラミドなどの細胞間脂質が細胞の間をまるでタイルの目地のように隙間なく埋めている状態が正常な状態です。

このように角質が隙間なく重なり合っていることで、体の外部からのウィルスや細菌、異物が体内に侵入することを防ぐバリア機能の働きが発揮されるのです。

角質が隙間なく重なり合っている状態は、屋根の瓦が隙間なく重なり合って雨漏りを防いでいる状態に似ています。

正常な肌は角質が屋根の瓦のように隙間なく並んでいます。

家の場合には、瓦が隙間なく屋根を覆っていることで、雨が降っても屋内が雨で濡れてしまうようなことはありません。

しかし、瓦が欠けたり、一部がはがれたりして隙間が出来た状態では、雨が降るとその隙間から雨水が侵入して雨漏りしてしまうことになります。

肌もこれと同様に、屋根の瓦に相当する角質が傷ついたり欠けたりすると肌のバリア機能が失われてしまいます。

屋根の瓦に隙間が開いていると雨漏りしてしまうように、角質が乾燥してしまうと角質の間に隙間が出来、ウィルスや異物が侵入しやすい状態になります。

角質の間の隙間は肌が傷ついたときにも出来やすいですが、肌が傷ついた場合にはその範囲は狭いですが、肌が乾燥すると広範囲の角質に隙間が出来やすくなります。

肌が乾燥してしまう原因は肌の擦りすぎや誤ったスキンケア、また、加齢による体内でのセラミド生成能力の低下や体の中の原因によっても乾燥肌になってしまう場合がありますが、乾燥肌になってしまうと肌が外部からの刺激を受けやすい過敏な状態になります。

外部からの刺激を受けやすい乾燥肌状態では、ウィルスや細菌が体内に侵入しやすい状態になりますので、乾燥肌でもまだ皮脂腺の働きの活発な人の場合には、皮脂の分泌量が増えて乾燥した角質の上を大量の皮脂で覆うことがあります。

肌が乾燥してバリア機能が低下すると、皮脂が過剰に分泌されて一時的に異物が侵入しにくい状態をつくります。

家が雨漏りするときには屋根に防水性のブルーシートを被せて雨漏りを応急的に防ぐように、肌が乾燥してウィルスや異物が侵入しやすい状態になったときには皮脂腺から皮脂を過剰に分泌して乾燥した角質の上を皮脂で覆って、一時的にウィルスや細菌が侵入しにくい状態をつくるのです。

このような状態になると、皮脂腺の分布の多いTゾーンは大量に分泌された皮脂で脂浮きが気になるのだけれど、皮脂腺の分布の少ない部分は乾燥した角質を皮脂で覆うことが出来ずに乾燥が気になる混合肌になります。

混合肌は乾燥肌

このように、混合肌とは乾燥した角質の上を部分的に大量の皮脂が覆っている状態で、混合肌の本質は乾燥肌である場合が多いです。

全体的に脂浮きが強く自分では脂性肌だと思っている人でも、洗顔後に肌がかさついたりつっぱったりするような場合には、普段気になる脂浮きは乾燥した角質を覆うために分泌された皮脂である可能性が高く、本来の肌質は乾燥肌だと考えられます。

また、洗顔後にすぐに化粧水をつけているような場合にも、自分では気付いていない場合が多いですが乾燥肌の疑いが強く、洗顔後に何もしないと肌がかさつくために、いつの間にか洗顔後すぐに化粧水をつけることが習慣化してしまっていて、乾燥に気付いていないことが多いです。

混合肌を解消するには

混合肌は、基本的に肌全体が乾燥しているために刺激を受けやすい状態になっていて、刺激を受けにくい肌状態にするために皮脂腺の多い部分の皮脂の分泌が盛んになることで脂浮きしやすく、皮脂腺の少ない部分は乾燥した肌を皮脂で覆えないため乾燥が気になる肌です。

脂浮きが気になる部分も、乾燥した角質の上を皮脂が覆っているだけなので、本質的な肌質は乾燥肌です。

混合肌を解消するためには、肌の乾燥状態を整えて正常な肌状態をつくることが必要です。

正常な肌状態に戻れば、肌のバリア機能も取り戻すことが出来ますので過剰な皮脂で肌を覆う必要が無くなり、自然に皮脂分泌も減少して脂浮きしない肌になります。

混合肌は乾燥肌まとめ

  • 混合肌はTゾーンは脂浮きしやすく、その他の部分は乾燥する肌である
  • 肌の角質には外部からの異物の侵入を防ぐバリア機能があるが、肌が乾燥するとバリア機能が失われる
  • 乾燥によってバリア機能が失われた肌で皮脂腺の働きが活発な肌は、皮脂分泌を過剰に分泌して異物が侵入しにくい状態をつくることがある
  • その結果、皮脂腺の多い部分は脂浮きし、皮脂腺の少ない部分は乾燥する混合肌になる
  • 混合肌の本質は乾燥肌のため、肌を正常な状態に整え乾燥状態を解消することで皮脂分泌が減少して混合肌を解消することが出来る
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