大人ニキビのない肌をつくる第六の栄養素

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大人ニキビのない肌をつくる第六の栄養素

スパイスなどの辛味は肌の薬になる第六の栄養素

 

健康な肌に必要な栄養素

五大栄養素の炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルは健康な肌をつくる材料

 

大人ニキビを治すためには食事のバランスに気を配ることはとても大切です。

五大栄養素といわれる炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養をバランス良く摂取することが大切です。

新しい健康な肌が生まれくるためには、健康な肌をつくる材料になる栄養素をしっかり摂らなければなりません。

これらの栄養はニキビのない健康な肌をつくるには欠かせないものですが、それだけではなく、いわば第六の栄養素とも呼べる肌の働きを高め肌の薬となる食べ物があります。

スパイスなどの辛味のものは肌の薬になる

スパイスなどの辛味のものは肌の薬になる作用があります。

漢方では、私たちが口から摂取する食べ物は酸(さん)酸っぱい・苦(く)苦い・甘(かん)甘い・辛(しん)辛い・鹹(かん…しおからい)の五つの味に分類され、その味の一つ一つに体の薬になる働きがあるとされています。

酸味(さんみ)は肝臓や胆のう、筋肉や目の薬になり、苦味(にがみ)は心臓や小腸、血脈や下の薬に、甘味(かんみ)は脾臓や胃、肌肉(きにく)や口唇の薬、辛味(からみ)は皮毛(ひもう)や大腸、肺や鼻の薬、鹹味(しおからみ)は骨髄や耳、暴行や腎臓の薬になるとされています。

このうち、大人ニキビに関連する肌の薬になる味は辛味になります。

甘味のところに肌肉(きにく)と肌という字が使われていますが、大人ニキビに関連する肌の部位は表皮と呼ばれる部分で、肌肉とは表皮よりも下層の真皮層や皮下組織の部位を指しています。

辛味は大人ニキビに関連する表皮の部分の肌の薬になり、辛味のものをとると肌の働きを高める作用があるのです。

大人ニキビに関連する肌(表皮)の部位の薬になるのは辛味にはどんなものがあるかというと、胡椒や山椒、生姜、にんにく、唐辛子などのものになります。

ここまでお話しすると、「でも胡椒や唐辛子などの辛いものは刺激物だからニキビ肌の人は摂ってはいけないんじゃないですか?」というご質問を頂くことも多いです。

確かにこれらの辛味のものは刺激物と呼ばれることが多いのですが、胡椒や唐辛子、生姜などの辛味のものは血液循環を活発にする働きがあります。

10倍や20倍など、通常の辛さよりももっと辛い激辛カレーを食べている人を見ると滝のような汗をかきながら食べている人が多いです。

これは、辛いものを食べると血液循環が活発になり体内に熱を持つので、その熱を冷ますために汗をかいて、汗の水分が蒸発する時に体から気化熱を奪って体を冷ましているのです。

 

刺激物と呼ばれる唐辛子も上手に摂れば肌の薬になる

韓国料理は唐辛子が使われていて辛い味のものが多いですが、韓国の女優さんなどを見るとキメが細かく肌のきれいな人が多いです。

これは、辛い韓国料理を食べることで血液循環が活発になって代謝など肌の働きが高いことによるものと考えることが出来ます。

昔から足が冷えたり指先がしもやけになったりした時に、布で包んだ唐辛子を靴の中に入れておくと良いといわれます。

また、冷え症の人用の唐辛子成分が配合された入浴剤も市販されていますが、これらは唐辛子の血流を活発にする働きを利用したものです。

唐辛子に限らず、辛味に分類されるものは大なり小なり血液循環を活発にする働きがあり、血液循環が活発になれば肌の新陳代謝や肌の働きを高めることが出来ます。

肌の働きを高める効果のある辛味のものを上手く使えば、肌荒れを治し、キメの細かなきれいな肌にすることが出来ます。

なぜ肌の薬のはずの辛味が刺激物とされてニキビの害になるか

ではなぜ、血液循環を活発にして新陳代謝が高まりきれいな肌をつくれるはずの辛味が、刺激物と呼ばれてニキビ肌の人は避けた方が良いといわれるのでしょう?

辛味には血液循環を活発にする働きがありますが、誰でも辛味を摂って良い訳ではなく、逆効果になってしまう場合もあります。

辛味のものは、正しく使えば肌をきれいにする働きがありますが、使い方を誤ると逆にニキビが増えたり痒みが出たりすることもある両刃の剣なのです。

辛味のものを控えた方が良い人

辛味のものを控えた方が良いのは以下のような場合です。

  • 胃腸に潰瘍などの出血性の疾患のある人
  • 肌の働きの低下の度合いの大きい人
  • 上半身の熱のこもりが強すぎる人

このような人は、辛味のものを摂るとかえって肌荒れをおこしやすくなり、せっかく肌の働きを高めようとして摂った辛味が刺激物として作用してしまいます。

胃腸に潰瘍などの出血性の疾患のある人が辛味のものを摂ると血液循環が活発になる働きが逆効果になり、出血量が増加してしまうので辛味のものは控えた方が良いです。

次の肌の働きの低下の度合いの大きい人も辛味のものは控えた方が良いでしょう。

肌には体の中の余分な熱を外に逃がす体温調節の働きがありますが、肌の働きの低下の度合いが大きな人は、血液循環が活発になることで強くなった熱を肌から逃がすことが出来ず、熱のこもりが強くなってニキビの悪化や肌の痒みを引き起こすことがあります。

次の上半身の熱のこもりが強すぎる人も、肌の働きの低下以外の何らかの原因によって上半身の熱のこもりが強いと、辛味のもので血液循環が活発になってさらに熱のこもりが強くなってしまうので、辛味のものは避けた方が良いです。

肌の薬になる辛味の上手な摂り方

キムチは辛味と酸味が含まれた理想的な形の辛味

血液循環を活発にして肌の働きを高める作用のある辛味のものですが、上記の辛味を避けた方が良い場合に当てはまらない人でも、辛味を摂る際には注意する点がいくつかあります。

先程、辛いものを食べ慣れている韓国の女優さんは肌のきれいな人が多いと書きましたが、普段辛いものを食べなれていない人がいきなり激辛のものを食べると胃に負担がかかりやすいので、胡椒や生姜などのマイルドな辛味のものを最初は少量ずつ摂るようにして、肌やニキビの状態を見ながら少しずつ量を増やしていくようにすると良いでしょう。

また、辛味のものは胃の負担になることがありますから、辛味のものを単体では摂らず、かならず胃粘膜を保護するたんぱく質と一緒に摂ることも大切です。

 

相克関係で辛味と酸味を一緒に摂ると辛味の害を打ち消すことが出来る左の図の点線の矢印は、漢方の相克関係(そうこくかんけい)というものを示した図です。

このうち、赤い矢印が示す意味は、辛味のものを摂り過ぎると青い酸味の部分の肝臓や筋肉、胆のうや眼に負担をかけてしまうという意味です。

特に辛いものは肝臓に負担がかかりやすく、辛いもの(刺激物)の摂り過ぎはニキビに良くないといわれる理由はこのような側面があるのかもしれません。

しかし、辛いものが持つ、血液循環を活発にして肌の働きを高める働きを利用しないのはもったいないです。

このような時、漢方では以下のように考えられています。

辛味のものを摂って肝臓に負担がかかるのであれば、辛味のものと一緒に肝臓の薬になる酸味を一緒に摂れば、肝臓の負担を軽くすることが出来る。

つまり、肌の働きを高める作用のある辛味のものを摂る時には、辛味のものによって負担のかかる肝臓の働きを高める作用のあるお酢などの酸味を一緒に摂れば良いということになります。

この点、韓国が発祥のキムチなどは、唐辛子の辛味に加えて発酵によって生じる酢酸菌によって酸味も加わっていますので、理想的な辛味のものということになります。

以上の点に注意しながら上手に辛味のものを食事に取り入れていくと、肌の働きを高めて大人ニキビ解消の大きな味方になってくれます。

大人ニキビのない肌をつくる第六の栄養素まとめ

  • 大人ニキビを治すためには、五大栄養をバランス良く摂取することが大切である。
  • 同時に肌の薬になる辛味のものを摂ると、血液循環が活発になって肌の働きを高めることが出来る。
  • 辛味は刺激物とされてニキビには良くない場合もあるので、自分の体の状態を良く考えた上で摂取しないと逆効果になってしまうこともある。
  • 辛味のものを摂る際には、マイルドな辛味のものを選び、たんぱく質と一緒に摂ることを心がけ、辛味の相克関係にあたるお酢などの酸味も一緒に摂ることが必要である。

 

 

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