ホットヨガで顎ニキビが悪化する人

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ホットヨガで顎ニキビが悪化する人

 

高温多湿の環境の中でヨガをおこない、大量に汗をかくことでデトックス効果や代謝アップの効果があるホットヨガ。

肌の代謝も活発になるため、ニキビだけではなくニキビ跡改善のためにもホットヨガを始める人も多いようですが、期待通りにニキビが改善する人も多い反面、期待とは逆にかえってニキビが悪化したり肌荒れしてしまう人も多いようです。

ホットヨガで期待通りに代謝が良くなればニキビ跡も早く消えるようになるかもしれませんが、ホットヨガでニキビそのものが増えてしまえば新しいニキビ跡も増えてしまうことになります。

なぜニキビやニキビ跡を治したくて始めたホットヨガで逆にニキビが悪化してしまう人がいるのでしょう?

ホットヨガでニキビが悪化する要因

ホットヨガでニキビが悪化してしまう人は、レッスンの翌日から数日後にニキビが出来始めてしまう人が多いようです。

ホットヨガを始めてニキビが増えてしまっても、それは好転反応で体内の毒素が出ているのだから、しばらくの期間ヨガを続けていれば段々引いてくると考える人もいるようですが、確かにヨガによって新陳代謝が高まるとこもっていたニキビが代謝によって肌表面に出てくるということはありえます。

しかし、その期間は2週間から4週間ほどが目安で、その期間を過ぎても相変わらずニキビの悪化が続くようならばホットヨガの効果がニキビにはマイナスに働いていると考えたほうが良いと思います。

ホットヨガでニキビが悪化してしまうのには、いくつかの要因が考えられます。

汗によって肌の弱酸性が崩れてしまう

肌は皮脂膜で覆われていることで弱酸性の状態を保っています。

肌が弱酸性に保たれていると、ニキビ菌などの雑菌の過剰な繁殖を防ぐ働きがあります。

ホットヨガは、高温多湿の環境でヨガをおこなうため、大量の発汗を伴います。

通常の汗の場合には汗は肌と同じ弱酸性なのですが、大量に汗をかく時には汗に重炭酸イオンが混ざることがあり、そうなると汗がアルカリ性になります。

大量に発汗されたアルカリ性の汗が肌全体を覆うと、肌の弱酸性が崩れてアルカリ性に傾きニキビ菌などの雑菌が繁殖しやすい状態になり、ニキビが出来やすくなります。

汗によって肌が乾燥しやすくなる

また、大量発汗によって汗がアルカリ性に傾くと、汗が直接触れる肌の角質のたんぱく質が溶けて肌が乾燥しやすくなります。

角質が乾燥すると肌の柔軟性が失われて硬くなって肥厚しやすくなり、毛穴の出口が狭められて毛穴の目詰まりをおこしやすくなりますし、乾燥肌によって肌のバリア機能が低下すると皮脂分泌が過剰になることもニキビが出来やすい要因になります。

高温・多湿の環境で体を動かすことで熱のこもりが強くなる

体内の熱は、肌から体外に発散されています。

肌からは不感蒸泄(ふかんじょうせつ)という働きで、汗以外の目に見えない水分が蒸散されているのですが、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)では水分だけではなく体温も発散されています。

不感蒸泄(ふかんじょうせつ)…発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失をいう。皮膚からの蒸散のみを指すという意見もある。不感蒸泄の量は,条件により大きく変動するが,常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)程度である。発熱,熱傷,過換気状態などで増加する。

引用 日本救急医学会 http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0515.htm

肌以外にも呼気からも水分の蒸散はおこなわれています。

鏡に息を吐きかけると鏡が曇りますが、これは呼気から目に見えない水分が蒸散されているためです。

また、手に息を吐きかけると呼気は温かいことが分かりますが、呼気からは体温も一緒に発散されています。

肌からも呼気と同じ温かい水蒸気のような形で目に見えない水分と体温が常に発散されているのですが、湿度が高い状態だと肌からの水分の蒸散が上手くおこなわれなくなるため熱の発散も上手くおこなわれずに体内に熱がこもってきます。

ホットヨガでは、湿度の高い環境でヨガをおこない、体温を上昇させることで代謝アップさせたり発汗によるデトックス効果などが謳われています。

通常の場合は、ヨガを終えて周りが温度や湿度が低い環境になれば、湿度の高い環境の中でヨガをおこなって体内に溜まった熱が肌から発散していくので問題はないのですが、もともと水滞(すいたい)お血(おけつ)などの体内原因で体表の血液循環が不足して肌の働きが低下している人の場合は、溜まった熱がなかなか体外に発散されず熱がこもった状態が長く続きます。

もともと体内原因によって上半身には熱がこもりやすく下半身は冷えている人の場合、高温多湿の環境でヨガをおこなうことで上半身の熱のこもりはさらに強くなりますが、下半身血流が低下しているため下半身はそれほど温まらず、ホットヨガを終えて通常の環境に移動すると下半身の熱はすぐに冷めてしまいます。

もともと、上半身には熱がこもりやすく下半身は冷えている人は、ホットヨガで上半身の熱のこもりはさらに強くなり、その割には下半身はあまり温まらないと上半身下半身の温度差が大きくなり、顎ニキビが出来やすくなってしまいます。

ホットヨガでニキビが改善する人、悪化する人

ホットヨガをすることで、代謝がアップしてニキビが改善する人もいる一方、ホットヨガをするとニキビが増えてしまう人もいるようです。

ホットヨガでニキビが悪化してしまう人は、上記のような要因が重なり合ってニキビが増えてしまうことが考えられますが、ホットヨガでなぜか顎にばかりニキビが増えてしまう人は、ニキビが出来やすい体内原因を抱えている可能性が高いです。

冷えきったガラスに熱湯をかけると、その温度差にガラスが耐えられず割れてしまうことがあります。

体内原因により体表の血液循環が不足している状態は、肌が冷えている状態です。

その状態で高温多湿の環境でヨガをおこなうと、冷えたガラスに熱湯をかけるのと同様、その温度差から肌に負担がかかってニキビが出来てしまうことがあるのです。

肌が冷えて働きが低下している場合には、体の状態を整えて肌の働きを高めながらホットヨガをおこなう必要があります。

その際にも、いきなり高温多湿で長時間おこなうことは避け、少し高めの温度、湿度で短時間から始めて徐々に温度、湿度、時間を上げていった方が良いでしょう。

働きの低下している肌にいきなり過大な負担をかけることは望ましくありませんし、汗や肌の乾燥の影響によるニキビ悪化の場合にも少しずつ温度や湿度、時間を高めていった方が肌への負担は少ないです。

いきなり高いハードルを飛び越えようとするのではなく、階段を一歩ずつ上っていくように、少しずつ肌の働きを高めながら温度や湿度を高め、ヨガをおこなう時間を長くしていった方が良いでしょう。

ホットヨガでニキビが悪化する人まとめ

  • ホットヨガはデトックス効果や代謝アップの効果でニキビが改善する人もいるが、逆に悪化してしまう人もいる
  • ホットヨガでニキビが悪化してしまう人は汗や肌の乾燥、肌の働きの低下などの要因が重なり合っていることが多い
  • もともと上半身に熱がこもりやすい人は、ホットヨガでさらに熱のこもりが強くなり下半身はあまり温まらないと、上半身と下半身の温度差が大きくなって顎ニキビが出来やすくなる
  • ホットヨガでニキビが悪化してしまう人はいきなり大きな負担で始めるのではなく、温度や湿度、時間を少しずつ長くしながら肌の様子をみながらヨガをおこなうと良い
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