便秘だからニキビ?便秘ニキビの出来る場所
便秘だからニキビ?便秘ニキビの出来る場所
目次
便秘になるとニキビが出来やすくなると言われています。
便秘によってニキビが出来る場所は、おでこや頬、あごなどが出来やすい場所ですが、出来る場所によって少しずつ原因が異なります。
便秘するとニキビが出来やすい理由
口から摂った食べ物は、胃で消化された栄養物が小腸に送られて吸収され、その後大腸に進んで水分などが吸収された後便として排泄されて行きます。
便の内容物は、食べ物の吸収されなかった繊維などの残りかすが約5%、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌の死骸が約10%~15%、代謝で入れ替わった腸壁細胞の残骸が15%~20%、残りの60%~70%は水分です。
一般的には便通が3日以上ない場合や1週間の間に2回以上の排便がない場合を便秘とされていますが、便が出ないことが長く続くほど、これらの便の内容物が体内に留め置かれるということになります。
一般的には便が出ないことが長引くと、便で排泄されるはずだった脂肪が体内に残るために皮脂腺から排泄しなければならない状態になってニキビが出来やすくなったり、老廃物が体内に停滞することで毒素を生じるため、毒素が血液中に取りこまれて皮脂腺から分泌されるためにニキビが出来やすくなるとされています。
このような理由でニキビが出来やすくなることもありますが、東洋医学的な考え方では便秘でニキビが出来やすくなるのには別な理由もあると考えられています。
東洋医学的便秘とニキビの関係
東洋医学では、体の中の熱を便や小便、呼気や肌の不感蒸泄(ふかんじょうせつ)から体外に逃がしていると考えています。
人間の体温(熱)は筋肉の活動や脳、肝臓の活動によってつくられていますが、熱をつくってばかりでは体温がどんどん上昇してしまうために、余分な熱は温かい大小便や呼気、肌から捨てながら体温を一定に保っているのです。
便秘で便が出ないということは、便で捨てているはずの熱が体内に残ってしまうということになります。
便秘がちでニキビが出来やすい場合、便で排泄されるはずだった脂肪が皮脂から排泄されなかったり、毒素が皮脂腺から排泄される場合には白ニキビが出来やすいのですが、白ニキビを飛ばしていきなり炎症ニキビが出来るような場合には、便秘によって体内の熱が外に捨てられずに体内にこもっていることが原因でニキビが出来ていることが多いです。
また、もう1つの注目点は便の内容物は60%~70%は水分だということです。
便秘が続き、便に含まれる水分が体外に排泄されないと体の中に余分な水分を抱えている水滞(すいたい)の状態になってしまいます。
便秘が水滞(すいたい)の状態をつくっている場合には、お腹に冷えをおこすことで肌周囲の血流量が低下して肌の代謝が低下するため白ニキビが出来やすくなりますし、便で熱を逃がせないことに加えて、水滞(すいたい)で肌の働きが低下することで肌からの不感蒸泄(ふかんじょうせつ)でも熱を逃がしにくくなるため両方の原因から熱のこもりが特に強くなります。
東洋医学的な考え方では、熱のこもりによって炎症ニキビが出来やすくなると考えられていますが、熱のこもりが強くなるほどかゆみのあるニキビやしこりニキビが出来やすい肌になります。
便秘でニキビが出来る場所と原因
便秘をしていることだけが原因でニキビが出来ることもあるのですが、ニキビが出来る場所によって便秘だけが原因の場合と便秘にその他の原因が重なってニキビが出来ている場合に分かれます。
便秘でおでこにニキビが出来る場合
普段便秘がちでおでこにニキビが出来やすい場合には、便で排泄されるはずだった脂肪や毒素が皮脂腺から分泌されることが原因でおでこにニキビが出来やすくなっていると考えられます。
皮脂分泌が多くなることが原因で出来るニキビは、皮脂腺の数の多い場所ほど出来やすくなります。
おでこはTゾーンと呼ばれる皮脂腺の数の多い場所なのでおでこに出来るニキビは皮脂の分泌量増加の影響を受けやすい場所で、便秘によって皮脂分泌が多くなっていることが原因の場合が多いです。
便秘で頬にニキビが出来る場合
便秘がちで頬にニキビが出来やすい人は、頬のどの場所に出来るかによって原因が異なります。
頬の上部に出来るニキビ
頬の上の方にニキビが出来やすい場合には、おでこに出来るニキビと同様に便秘による皮脂分泌の増加がニキビの原因になっていると考えられます。
頬の上部は、おでこほどではありませんが皮脂腺の数が多い部分ですので、皮脂分泌量が多くなるとニキビが出来やすい部分なのです。
頬の下部に出来るニキビ
頬の上の方は皮脂腺の数が多いのですが、頬の下の方にいくほど皮脂腺の数が少なくなるため本来はニキビが出来にくい場所なのです。
それにも関わらず便秘がちで頬の下の方にニキビが出来やすい場合には、水滞(すいたい)や熱のこもりやなどの原因によって出来ていることが多いです。
水滞(すいたい)による肌の働きの低下で新陳代謝が低下すると白ニキビが出来やすくなり、そこに熱のこもりが加わると炎症した赤ニキビに発展します。
大人ニキビの場合には、ニキビの出来る場所が下に降りるほど体の中の原因が深くなる傾向がありますので、頬の上部に出来るよりも下部に出来るニキビの方が体の中の原因が深くなっていることが多く、ここに出来るニキビは原因が便秘だけではなく、便秘に体の中の原因が重なっていることが多いです。
便秘で顎にニキビが出来る場合
顎は、おでこと同様に皮脂腺の数が多い場所です。
便秘で顎に出来るニキビは、皮脂分泌の過剰で出来る場合には最初は白ニキビが出来、それが徐々に炎症をおこして赤ニキビになってくることが多いです。
しかし、顎に出来るニキビは便秘による原因だけではなく大人ニキビの体内原因も絡んでいることが多い場所で、水滞(すいたい)やお血(おけつ)などの問題が加わっていると体の中の熱のこもりがつよくなって、白ニキビを飛ばしていきなり炎症をおこした赤ニキビや化膿した黄ニキビが出来やすい場所でもあります。
特に足が冷えるなどの下半身冷え症の人は下半身の血流が低下していて、その分上半身の血流量が多く上半身に熱のこもりのある場合が多く、上半身の熱のこもりと下半身の冷えの温度差が大きいほど、しこりニキビやこもりニキビが出来やすくなります。
便秘をしていて顎にニキビが出来やすい人も、ニキビの原因は便秘に加えて体の中の原因が重なっていることが多いです。
本当に便秘がニキビの原因?ニキビの本当の原因を見つけることが大切
便秘がちでニキビが出来やすい場合には便秘がニキビの原因だと考えやすいですが、便秘だけが原因でニキビが出来ているわけではなく複合的な原因が重なってニキビが出来ていることが多いです。
確かに便秘はニキビが出来やすくなる原因として大きなものですから、便秘の原因とされる食生活の乱れを解消したり、睡眠不足にならないよう気をつけたり、運動不足にならないように体を動かすなどしてなるべく自然なお通じがある状態にすることも必要です。
しかし、便秘をしやすい人は腸の働きが低下していることが多く、ニキビを繰り返す本当の原因は便秘ではなく腸の働きの低下にある場合も多く、そのような場合には腸の働きが低下しているために便秘とニキビの両方をおこしてしまうのです。
腸の働きの低下で便秘もニキビもおこしている場合には、便秘薬を飲んで便秘だけ解消してもニキビは相変わらず出来続けてしまいます。
頑固に繰り返すニキビを治すには、ニキビの本当の原因を見つけ、その原因を取り除くことが必要です。
原因を取り除けば、ニキビを繰り返さない肌にすることが出来ます。