乾燥肌なのに脂性肌でテカる・オイリー肌・ニキビ肌

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乾燥肌なのに脂性肌でテカる・オイリー肌・ニキビ肌

乾燥肌なのに皮脂が出てテカる肌・オイリー肌・ニキビ肌

一般的にはニキビは皮脂の過剰分泌が原因で出来やすくなるものです。

特に思春期のニキビは、思春期の第二次成長にホルモンの分泌が多くなることの影響で皮脂分泌が過剰になってニキビが出来ることが多いです。

しかし、乾燥肌なのに日中は脂性肌のように皮脂がたくさん出てテカったり、オイリーだったりする肌で大人ニキビでお悩みになっている人がとても多いです。

乾燥肌とは

乾燥肌とは、肌の角質層に含まれる水分量が少ない肌のことです。

また、脂性肌でテカる肌やオイリー肌は毛穴から分泌される皮脂が過剰に分泌される肌です。

正常な肌の角質層には20%~30%の水分が含まれています。

角質に水分が含まれているだけでは水分はすぐに蒸発してしまいますから、角質層内には水分保持力のあるN・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)という物質が存在し、角質に含まれた水分を外に逃がさないようにしています。

角質層は、角質が10枚~14枚重なり合って形成されています。

ちょうど水分をたっぷり含んだ角質というレンガやブロックが積み重なっているような状態なのですが、N・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)はレンガやブロックの隙間を埋めるようにして角質の水分の蒸発を防ぐ働きをしています。

この角質層の水分が不足してしまうと肌の乾燥が気になるようになります。

そして、その角質全体の上を皮脂が覆っていて、これも肌の乾燥を防ぐ役割を果たしていますが、皮脂分泌が過剰になるとテカりが気になったりオイリーな肌になります。

このような条件を満たしている肌状態であれば肌の乾燥はおこさないのですが、これらの条件の一つまたは複数が重なって失われてしまうと肌(角質)が乾燥しやすい乾燥肌になってしまいます。

乾燥肌だとニキビが出来やすくなる理由

ニキビは毛穴の出口の部分が皮脂や剥がれ落ちた角質などが混ざって目詰まりをおこすことで発症します。

肌の表皮は新陳代謝で毎日少しずつ新しい肌に生まれ変わっています。

肌のターンオーバー、新陳代謝肌の新陳代謝

表皮は下層から基底層(きていそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・顆粒層(かりゅうそう)・角質層(かくしつそう)の4層に分類されます。

基底層で生まれた皮膚細胞は、次の日に生まれてくる皮膚細胞に押し上げられるような形で上行し、14日ほどで有棘層、顆粒層に到達します。

顆粒層から角質層に上行するときには、細胞が潰れて細胞としては死を迎えるのですが、顆粒層の細胞内に熟成されてきたケラチン蛋白繊維が角質層に生まれ変わります。

角質層になった後も、下からどんどん新しい細胞が持ち上がってくるので上行は止まらず、さらに14日ほどかけて角質層の一番上まで持ち上がってくると、最後は角質が剥がれ落ちて行きます。

基底細胞から顆粒層までが14日、角質層になって剥がれ落ちていくまでに14日、あわせて28日周期の肌の入れ替わりが肌の新陳代謝(ターンオーバー)と呼ばれています。

毛穴の出口の角質層も新陳代謝で毎日入れ替わっています。

肌が正常な状態であれば、毛穴の出口で剥がれ落ちた角質も毛穴から出てくる皮脂によって肌の上に排出されていきます。

正常な肌は毛穴の出口の剥がれ落ちた角質が皮脂によって排出されます

このような正常な肌はニキビが出来にくい肌です。

乾燥肌は硬い肌

水分を含んだスポンジは柔らかく、乾燥したスポンジは硬いように乾燥した肌も硬くなります

 

この写真はセルローズという植物性繊維のスポンジに水をたっぷり含ませたものと乾燥させたものを比較したものです。

水分をたっぷり含ませたスポンジを指で押すと柔軟性があって柔らかいのに対し乾燥させたものは柔軟性が無くとても硬くなっています。

セルローズのスポンジは植物繊維で出来たスポンジで、ケラチン蛋白繊維から出来ている角質と乾燥に対する特性が良く似ているのですが、角質も乾燥していない状態では柔軟性があって柔らかいのに対し、乾燥した角質は柔軟性が失われて硬くなってしまいます。

毛穴の出口の角質が乾燥して硬くなって柔軟性が失われると毛穴の出口の新陳代謝(ターンオーバー)も正常に行われなくなり、角質の肥厚をおこして毛穴が目詰まりしやすくなってニキビが出来やすい肌になってしまうのです。

乾燥肌ニキビの外部的対策

乾燥肌ニキビの外部的対策は、スキンケアで乾燥した角質を正常な肌に戻すことです。

角質を乾燥させないためには、角質にたっぷりの水分を与え、角質に与えた水分を角質内に留め置くためのN・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)、皮脂膜が必要です。

N・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)は体内で生成されているものなのですが、個人差によってもともとの生成能力が低い人もいますし、誰でも加齢によって生成能力が低下してしまいます。

N・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)を充分に体内で生成出来る人はそもそも乾燥肌になりにくいのですが、体内で充分に生成出来ない人の場合にはスキンケアによって体の外部から代わりになるものを補う必要があります。

乾燥肌ニキビのスキンケアは、肌状態によって組み立て方を変えなければなりませんが、基本的には化粧水で水分を与えることに加え、与えた水分を逃がさないようにするためにニキビが出来やすい人は使用を躊躇することが多いオイルやクリームを使うことが、肌を正常な状態に整えニキビが出来にくい肌にすることにつながります。

乾燥肌ニキビの内部的対策

乾燥肌になりやすい人は、上記のN・M・F(天然保湿因子)や細胞間脂質(セラミド)、皮脂膜の生成能力の低下以外に体の中の原因によって肌が乾燥しやすい状態になっている人も多いです。

これも個人差があり、様々な要因が重なっていることが多いのですが、もっとも多い要因が水滞(すいたい)です。

水滞(すいたい)の人は水分代謝が低下していて、体の中に余分な水分を抱えている状態です。

体の中の余分な水分は、小便や大便、呼吸や肌から体外に排出されています。

小便は液体で出てきますので水分が排出されていることが分かりやすいですが、大便にもかなりの水分が含まれています。

また、呼吸から水分が排出されているのも分かりにくいですが、寒い日に息を吐くと湯気が立つことからも分かるように、息を吐いた時には目には見えなくても水蒸気のような形で水分が体外に排出されています。

そして乾燥肌と水滞(すいたい)にもっとも関連が深いのが肌から排出される水分です。

肌から水分が排出されると聞くと汗を想像するかもしれませんが、汗は常に肌から出ているわけではありません。

汗以外にも肌からは常に不感蒸泄(ふかんじょうせつ)という形で水分が体外に排出されているのです。

不感蒸泄(ふかんじょうせつ)で肌から排出される水分は呼吸で排出される時の形に良く似ていて、目には見えない水蒸気のような形で常に肌から排出されています。

ゴムの手袋をしてしばらくすると手袋の中が汗でびっしょりになりますが、これはゴム手袋をしたから汗が出ているのではなく、手の肌から水蒸気のように排出されている水分がゴム手袋のために蒸発できずに中に残ってしまうためです。

このように、肌からは常に水蒸気のような形で水分が体外に排出されているのですが、この量が多すぎると乾燥しやすい肌になってしまいます。

寒い季節になると唇が乾燥することが多いですが、唇が乾燥した時に舌で舐めて唇を濡らすと、それが渇いた時には濡らす前よりも唇が渇いてしまったという経験をしたことはないでしょうか?

これは舐めて唇を濡らした水分が蒸発する時に、唇の粘膜の内部に含まれる水分も一緒に蒸発していくためにおこる現象です。

粘膜や肌が濡れると、それが蒸発する時に内部に存在する水分も一緒に奪われて蒸発してしまうため、舐めて濡らした後の唇は舐める前よりも乾燥してしまうのです。

水滞(すいたい)の人の肌では、知らず知らずのうちにこの現象が肌におこっています。

肌からは不感蒸泄(ふかんじょうせつ)で常に水分の蒸発を繰り返していますが、水滞(すいたい)で肌から多くの水分を蒸発させなければならない人は、肌から水分が蒸発する時に肌の一番外側の角質内に含まれる水分も一緒に蒸発していくために乾燥しやすい肌になってしまうのです。

ひどい乾燥肌で保湿のスキンケアをしっかりしても肌が乾きやすくニキビが出来てしまうという人は、乾燥肌の体内的な対策として水滞(すいたい)を取り除く対策も必要です。

 

 

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